2014年12月30日

12月30日 1年を振り返って 青山学院:教職員2割が提訴「一方的に一時金減額」から学ぶこと

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(会社側の立場でぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理・労働トラブル対応の町医者吉野正人です。

1年を振り返って

12月30日火曜日。帰省などをしてた為、久しぶりのブログになってしまいました。採用と労務管理の視点から今年1年を振り返ると、雇用情勢に大きな変化が出来たと思います。特に採用における人気業種・人気職種と不人気業種・不人気職種の差が非常に激しくなっていると実感した1年間でした。

またワタミやすき家など「ブラック企業」と言うレッテルを貼られると、採用に響くという点から、労務管理が杜撰だと採用に影響されやすくなっていると実感する1年間でもありました。

来年も、採用と労務管理の面から元気のある中小企業にするべく、中小企業の経営者・人事担当者とともに一緒に頑張りたいと思います。


青山学院:教職員2割が提訴「一方的に一時金減額」から学ぶこと

今日は、少し前ですがボーナスを巡る気になる記事がありました。

※毎日新聞より引用

青山学院:教職員2割が提訴 「一方的に一時金減額」
毎日新聞 2014年12月25日 07時30分

 学校法人「青山学院」(東京都渋谷区)の教職員285人が、一方的な一時金の規定廃止によって支給額を減額されたとして、学院を相手取り、規定との差額にあたる総額約5000万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こしたことが分かった。原告には大学教授らも名を連ね、学院が設置する大学や高等部、中等部などの教職員全体の2割に達するという。

 訴状などによると、教職員の一時金は1953年以降、就業規則で定める規定に基づいた額が支給されていた。しかし学院側は2013年7月、「財務状況が非常に厳しい。取り崩し可能な資金にも余裕がない」などとして、規定の削除と一時金の減額を教職員の組合に提案。その後、組合の合意を得ないまま就業規則から規定を削除した。2014年夏の一時金は、規定より0.4カ月分低い2.5カ月分にとどまった。

 学院側は教職員側に対し、少子化や学校間の競争激化を理由に挙げ、「手当の固定化は時代にそぐわない」などと主張。一方、教職員側は「経営状態の開示は不十分で、一方的な規定削除には労働契約法上の合理的な理由がない。学院と教職員が一体となって努力する態勢が作れない」などと訴えている。

 教職員側によると、14年冬の一時金支給も規定に基づいておらず、その差額も追加提訴する方針。原告の大学教授の1人は「このままでは経営側の好き放題を許すことになる。建設的な話し合いができる関係を再構築する必要があると考え、提訴した」と語った。

 学院は「コメントを差し控える」としている。【山本将克】

※引用終わり。

いわゆる労働契約法第9条の不利益変更に伴う労働トラブルです。

労働契約法第9条では、「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。」と定めています。

つまり、会社と労働者は合意すれば、この記事の場合は就業規則の内容を変更できるわけです。

しかし、この記事によると労働組合との話合いもまとまらず、合意もしないままに就業規則の内容を「不利益変更」したようです。

労働契約法第10条では、「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。」と定めています。

この記事では、
1 労働者の受ける不利益の程度
2 労働条件の変更の必要性
3 変更後の就業規則の内容の相当性
4 労働組合等との交渉の状況

 という各要素を踏まえていたかは不明ですが、会社側の立場から見ると、裁判上の争いでは会社側(学校側)が不利だと思います。

このようなトラブルにならない為には、下記のような対処が必要だと思います。

・就業規則の変更案について、経過措置や代替案等を入れ込んで作成する。
・就業規則変更過程でも、労働者過半数代表者及び労働組合に、ある程度打診する。
・就業規則説明会を従業員を集めて実施する。説明会時には、変更の必要性と経緯を丁寧に説明する。
・説明会実施後に、話合いの場を複数回設ける。話合いの中で、妥協出来る点は応じる。
・従業員1人1人に、変更内容について出来る限り合意書を貰う。

以上のような対処が必要だと思います。「不利益変更」は非常に難しい問題ですが、焦りや短絡的な対処はしない方がいいと思います。

12月30日 1年を振り返って 青山学院:教職員2割が提訴「一方的に一時金減額」から学ぶこと

写真は今日の夕食で、2色どんぶり・えのきとわかめの吸い物・白菜のごま和え・ひじきの煮物です。今日は、娘(中2)が作ってくれました(^^)。

以上、福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(会社側の立場でぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。


※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。
福岡 久留米
採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人
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メールアドレス naitya2000@gmail.com


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Posted by naitya2000 at 20:49│Comments(0)
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