中小企業として未払い残業手当にいかに対応するか?
こんにちはnaitya2000こと労務管理の町医者、社会保険労務士の吉野正人です。先日、地方版ですが未払い残業手当に関する気になる記事がありました。
※毎日新聞より引用
はりまニュースファイル:加古川・ヤマト運輸の残業代請求訴訟で和解成立 /兵庫
毎日新聞 2010年9月17日 地方版
大手運送会社「ヤマト運輸」(本社・東京都中央区)の加古川市内の営業所の元ドライバー3人が08年、同社を相手取り、在職2年以内の残業代の未払い分計約700万円を含む総額約1400万円の支払いを求めた民事訴訟は16日、神戸地裁姫路支部(河田充規裁判長)で和解が成立した。原告・被告側ともに「和解条項については守秘義務があるのでコメントできない」としている。【山川淳平】
※引用終わり。
※小倉~松山を結ぶ関西汽船「フェリーくるしま」
http://www.ferry-sunflower.co.jp/index.html
いわゆる、宅急便で有名な運送会社の未払い残業手当請求に関する記事です。運送業は、私が今まで労働相談してきた中でも、長時間労働など労働トラブルが多い業種です。ドライバーの長時間労働が常態化しやすいのが現状であり、労働基準法とは別に「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(労働省告示第7号)」と言う通達がある位です・・・。
※厚生労働省リーフレット
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/040330-10.html
実際このような通達があっても、守れていないのが実情であり、サービス残業が多いのが現状のようです。最近は、労働者(ドライバー)による未払い残業手当請求も増えつつあり、今回のような記事のように最悪裁判沙汰となり新聞に掲載されてしまう破目になります・・・。裁判レベルになると、裁判で負けた時の損害賠償だけでなく、新聞・ニュース・ネットなどでさまざまな人に知れ渡ってしまい、取引先などへの企業イメージ等にダメージが生じます。
やはり、未払い残業手当請求は、裁判沙汰になる前に解決するのが懸命だと思われます。その為には、
労働者からまず未払い残業手当の請求が口頭や書面であった時は、まず「放っておかない」事が重要です。基本は会社と労働者間の話し合いによる円満解決です。
まずは、
法律どおりに支払うべき残業手当額を算出し、労働者との話し合いの場を設け、会社がどこまで労働者が請求している未払い残業手当の支払額に対して妥協できるかがポイントになります。
なお、今後一部の弁護士・司法書士によるローン利息の過払い金請求が法改正による売り上げで先細って来ている為、「過払い金請求」に代わる次のビジネスとして「未払い残業手当請求」へと移りつつあります。下手すれば、中小企業にとって「残業代支払倒産」も起こりかねません。
したがって、未払い残業手当請求が労働者からあった場合は、早期対応・早期解決が重要になります。なお、当事務所で11月26日金曜日に「会社を守る未払い残業手当請求対策セミナー」を久留米リサーチパーク第2会議室で行いますので、ぜひご参加頂ければ幸いです。
以上、naitya2000でした。