2011年05月18日

典型的事例「未払い残業手当」について。

こんにちはnaitya2000こと労務管理の町医者・社労士の吉野正人です。久しぶりのブログになります。今回は労働トラブルにおける気になる典型的な記事がありましたので、その事について書きたいと思います。

※読売新聞より引用

ミシュラン紹介のホテルを残業代未払いで提訴
(2011年5月16日21時02分 読売新聞)

 ミシュランガイドでも紹介された京都市中京区の高級ホテル「THE SCREEN」の元従業員男性(34)が16日、長時間労働を強いられたのに残業代が支払われないのは不当として、運営会社「トレーダー愛」(山口県)を相手取り、未払いの残業代など計約560万円の支払いを求めて京都地裁に提訴した。

 訴状などによると、男性は2009年から同ホテルのフロントで働いていたが、同社が経営するようになった10年5月以降、時間外勤務手当や深夜早朝勤務手当が支払われなくなったと主張。1か月の時間外労働は84~126時間に上り、男性は待遇に不満があるとして4月に依願退職した。

 同社は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。

※引用終わり。


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 いわゆる、未払い残業手当をめぐる労働トラブルで裁判沙汰となり、新聞記事になってしまった事例です。いわゆる、未払い残業手当が裁判沙汰になるのは余程の事と思われます。

 この労働者は、2009年に入社し今年の4月まで働いていたようです。労働者が退職後に未払い残業手当を請求するのは、典型的パターンですが、裁判沙汰になる前になぜ企業として防ぐ事が出来なかったのか?と思えてなりません・・・。

 裁判になると、この記事のように新聞に掲載され、それに伴う「評判」等による売上や新規雇用への影響など企業にダメージが生じます。また、裁判における弁護士費用や本業以外にパワーを割かなければならないなど、時間と労力の損失も重大です。

 今後、中小企業にとって未払い残業手当請求は、避けれない労働問題です。これを防ぐためには、裁判沙汰になる前に迅速かつ冷静、穏便に解決する必要があります。まず、労働者がいきなり提訴する事はほとんどあり得ません・・・。その前に、労働者から会社に対し「警告」「サイン」があります。

 具体的には、内容証明郵便などで未払い残業手当の書面請求が会社にまずあるのが一般的です。その時、会社として対処すべき点は下記の通りです。

1 労働基準法等により実際の残業時間を算出し、本来支払うべきであった残業手当金額を算出する。

2 労働者からの残業手当請求金額と計算した金額との差額について要因を検討する。

3 労働者における、法律上認められた制度(変形労働時間制度、定額残業手当等)の活用が可能か?及び労働者自身における勤務態度の問題点など交渉時に会社として労働者に主張できる論点があるかを洗い出す。

4 会社として労働者から請求してきた金額を、いくらまでなら払うのかと妥協して払える金額を検討する。

5 労働者と話し合い、双方の合意した金額を「解決金」として支払い、和解書を交わす。


 以上のような対処をまず会社として自主的に対応すべきだと考えられます。重要なのは、訴訟・労働審判・労働基準監督署への申告となる前に解決することです。基本は会社と労働者間の話し合いによる円満解決です。

 最悪なのは、労働者から郵送された「未払い残業手当の請求書」を放ったらかしにすることです。未払い残業手当の内容証明郵便が届いた時点で、まずは社会保険労務士に相談する事をオススメします。「火事」は火が広がる前に消し止めるのが先決です。

以上、naitya2000でした。


Posted by naitya2000 at 23:40│Comments(0)
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