2016年08月13日

8月13日 定時退社とダラダラ残業の関係について

福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。

8月13日 定時退社とダラダラ残業の関係について

※キャリコネニュースより引用
なぜキャリアコンサルは「定時で帰る新人」にケチをつけるのか 大炎上した「トンデモ新入社員」記事から考える
2016.8.12キャリコネ編集部

ダイヤモンドオンラインが8月10日に公開した記事、「なぜイマドキ新入社員は定時で即帰ってしまうのか」がネットで大炎上している。

記事を書いたのは、キャリアコンサルタントの櫻井樹吏氏。就活指導や新入社員の教育を専門としており、著書に「ゆとり世代のトンデモ行動学」(ダイヤモンド社)などがある。

「何かお手伝いできることありますか」と積極的に残業することを推奨

記事中で櫻井氏は、マネージャーや先輩社員からは「新入社員が定時になると即帰る、アイツはダメだ」という声が挙がっていると指摘。新入社員が定時で帰る理由について同氏は「所属意識の違い」と分析し、持論を展開した。

「決められた時間の中で業務をこなす、こうしたアルバイト感覚、学生感覚が抜けきっていないうちは、組織に所属しているという意識が根付くまでに時間がかかります」

新入社員は仕事が終わって定時で帰るのではなく、「何かお手伝いできることありますか」と周りに声をかけ、積極的に組織に関わろうとする努力が必要だというのだ。すぐに会社から帰ろうとするのは、「所属意識よりも社会人としての意識が低い言えなくもない」ともいう。

また、社会人は「どこに居場所を求めるか」が重要としたうえで、定時で帰る新入社員のことを「会社がアウェイになっている」と批判。会社を「ホーム」として遅くまで残る中堅社員に対し、定時で帰る新入社員を「トンデモ新入社員」呼ばわりした。

その上で、「残業が必要になる場合は、残業を良い悪いではなく、何のために残業が必要なのかを新入社員に考えさせる」として記事を締めくくっている。確かに職場の居心地の良さは必要ではあるが、結局は残業ありきの労働環境を弁護するようにしか聞こえない。

「顧客に聞き触りの良い話を世間一般の常識として当たり前のように語っている」

記事には多くの批判コメントがつき、大炎上した。

「定時だから帰るんだろ?犬なのか社畜なのか知らんが、長い時間勤務すると偉い感覚の人種と一緒にすんな(笑)」
「『なぜ定時で帰るのか』。『なぜ』がつくということは、定時で帰らないのが当たり前で、帰るには理由が必要、ということだろうが、その前提から間違ってる

記事では帰れる状況でも「何かお手伝いできることはありませんか」と聞いて組織に関わる姿勢の大切さを説いているが、「残業業務命令なのに何故仕事の終わった社員の側から定時後にやること無いか確認せねばいけないのだ?」など、批判の的だ。

脱社畜ブログを運営する日野瑛太郎さんもツイッターで、

「なんだこれ。就業時間内ならともかく、就業時間後に『何かやることはありますか?』を聞かなければならない理由がまったくわからない。ズレているのはむしろ上の世代でしょう」

と糾弾している。

また、経営者からも「就職というのは職業に就く事であって、会社や職場に就く事じゃないから」「(帰属意識を持たせるには)そりゃ従業員の権利と契約をきっちり守り報酬をきっちり支払う事に決まってますよ」といった声が出ていた。

今回はキャリアコンサルタントの記事が炎上したが、コンサルの顧客は結局のところ企業経営者や役員だ。櫻井氏も自身のサイトで「中小企業向け集客採用コンサルタント」と名乗っている。

そのためネットでは「顧客に聞き触りの良い話を世間一般の常識とか守って当たり前のように語っている」「企業側には利用価値のある人材なんだろう」と見る向きもあった。結局、ポジショントークでしかない、ということなのだろうか。

※引用終わり。

この記事を読んだとき、中小企業向け集客採用コンサルタントとは何なのか?と考えさせられます。私が知っている方でも、集客・採用コンサルタントをされてる方がいますが、労務管理・法令遵守の2点が、この記事のように抜けてるような気がします。法令遵守を考えないコンサルタントは、会社側・経営者にとって継続性を考えると、個人的にはお勧めしません。

私自身も、主に会社側の立場採用・労務管理のアドバイスを行い、中小企業事業継続・発展のお手伝いをしています。ただし私は、コンサルタントという立場だけではなく、社会保険労務士という立場で考えます。今回の記事の内容は、ネット社会の現在、労使関係の考え方が大きく変化した現在では、「合わない」考え方だと私は思います。

ただし労働基準法等労働諸法令における労働時間・賃金の考え方は、大筋で「変わってない」と思います。昔も今も、日本の労働法等は、労働時間単価で割増賃金を計算します。元々、労働基準法は、製造業ベースで考えてるためだと私は思います。約20年前の「24時間戦えますか?」のコマーシャルが流行った時代は、記事のような「新入社員が定時になると即帰る、アイツはダメだ」は当たり前だったと思います。

しかしネット社会の現在、いつでもどこでも労働基準法等法律を調べる事ができます。そして長く時間を費やして働けば、売上・利益が増えるわけではない業種・会社も多くあります。無駄な長時間労働・ダラダラ残業は、余計な残業手当・割増賃金を発生させるだけで、利益を増やすどころか減らす羽目になります。

今後は、作業効率・定時に仕事を終わらせる視点労務管理が必要があると思います。実際、「ダラダラ残業させないためには、どうしたらいいか?」という相談が顧問先などから増えています。サービス残業名目で残業手当を支払わないのは、会社側にとっては非常に危険です。

ただし、ダラダラ残業したほうが収入が増えて定時で仕事を終わらせたほうが収入が少ないでは、労働者自信「やってられない」と思うのも当然です。したがって、下記のような対処が必要だと思います。

・従業員ごとに、労働時間の実態をヒアリング・調査する。それをもとに業務の見直し・配置転換を行う。適材適所の徹底。
残業許可制の徹底。会社に無断でダラダラ残業を再三注意しても改めずに行った場合は、懲戒処分(訓戒レベル)を行う。ただし、残業手当の支払いは必要です。
・定時で仕事を終わらせた者に対して支払う業務効率手当の支給。
・業務効率に貢献した者を高く評価し、賞与を多く支払う。ただし、ダラダラ残業を多くした者は低く評価し、評価に見合った賞与しか支払わない。


以上のような賃金制度の見直し・就業規則の見直し・労働契約の見直し等も必要です。なお詳細は、10月28日金曜日に行う自主開催労務管理セミナーで話をしたいと思いますm(__)m。

8月13日 定時退社とダラダラ残業の関係について

写真は、今日の夕食でゴーヤちゃんぷるとラタトゥイユです。きょうは健康診断を受けたので、少なめにしました(^^;)。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。
福岡 久留米
採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人
移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)
メールアドレス naitya2000@gmail.com

ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。
なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。
社会保険労務士おくむらおふぃす



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Posted by naitya2000 at 22:50│Comments(1)
この記事へのコメント
私も採用や定着のコンサルを目指している者です。
非常に興味深い記事ですね。
私もどちらかと言えば定時でサッサと帰る若者には「あれ?」って思う側なので、時代と共に考えを見直さないといけないと感じました。
Posted by うねぽん at 2016年08月14日 08:30
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