2016年02月23日

2月23日 退職金減額「賃金の不利益、事前説明を」最高裁差し戻しの記事より

福岡・久留米ぶっちゃけ社労士会社側の立場でぶっちゃけた相談ができる社労士)こと 採用と労務管理の町医者 吉野正人です。

退職金減額「賃金の不利益、事前説明を」最高裁差し戻しの記事より

2月22日火曜日。今日は労働契約の不利益変更について、気になる記事がありました。比較のために2紙掲載してみます。

※毎日新聞より引用

退職金減額「賃金の不利益、事前説明を」最高裁差し戻し

毎日新聞2016年2月19日 20時30分(最終更新 2月19日 20時30分)

 勤務先の合併による労働条件の変更で退職金を大幅に減額されたとして、信用組合の元職員らが合併先に減額分の支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は19日、「賃金や退職金の不利益変更に対する労働者の同意は、事前に具体的に内容を説明し、労働者の自由な意思を得る必要がある」との初判断を示した。

 その上で元職員側を敗訴とした2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。元職員側が逆転勝訴する可能性がある。経営者側が賃金や退職金をカットする場合、より丁寧な情報提供を求めたと言えそうだ。

 訴訟を起こしたのは合併で解散した信組の元職員ら。合併で退職金の規定が変更され、著しく減額されたとして合併先の山梨県民信用組合(甲府市)に支払いを求めた。元職員らは規定変更の同意書に署名押印しており、同意があったと言えるかどうかが争われた。

 小法廷は「労働者は同意の基礎となる情報を収集する能力に限界がある。署名押印があったとしても、労働者への事前の情報提供の内容などに照らして判断すべきだ」と指摘。「自己都合退職の場合には支給額が0円となる可能性が高くなることなど、具体的な不利益の程度を説明する必要があった」などとして、審理が尽くされていないと判断した。【山本将克】

※産経新聞より引用

退職金減額「十分な説明を」 最高裁初判断、労働者の自由意思必要

産経新聞2016.2.19 21:45

 山梨県内の信用組合が合併を繰り返し、誕生した山梨県民信用組合(甲府市)が退職金を大幅に減らす規定変更を行ったことは無効として、旧峡南信組出身の元職員が山梨県民信組に合併前の基準での退職金を支払うよう求めた訴訟の上告審判決で最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は19日、賃金や退職金を減額するなどの不利益変更には「事前に経営者側が十分な説明を行うなど、労働者側が自由意思に基づいて同意していることが必要だ」とする初判断を示した。

 その上で、原告側敗訴とした2審判決を破棄し、東京高裁に差し戻した。高裁では、原告側敗訴の判決が見直される可能性がある。

山梨県民信組は平成16年に新たな退職金規定を導入し、職員側も同意した。しかし、旧峡南信組出身の職員にとっては、退職金がゼロになるか大幅に減額される内容だった。

 1、2審はいずれも「職員側の同意は有効」として請求を棄却したが、第2小法廷は「労働者は経営者側の命令に従うべき立場にあり、意思決定の基礎になる情報収拾能力も限られる。形式的に同意しているだけでは不十分だ」と指摘した。

※引用終わり。

労働契約法第8条(労働契約の内容の変更)では、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件変更することができる。」と定めています。記事のような退職金の大幅減額にかかわる労働条件の不利益な変更は、労働者と会社は合意して初めて変更できると定めています。

今回の記事により、合意しているという書面があっても、「賃金や退職金の不利益変更に対する労働者の同意は、事前に具体的に内容を説明し、労働者の自由な意思を得る必要がある」と今回最高裁で判断されています。この判断は、今後の労働契約において非常に大きな意味があると私は思います。

なお労働契約法第10条(就業規則による労働契約の内容の変更)では、「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、

・労働者の受ける不利益の程度
・労働条件の変更の必要性
・変更後の就業規則の内容の相当性
・労働組合等との交渉の状況
・その他の就業規則の変更に係る事情

に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。」

と定めている点があり、今回の最高裁の判断は労働契約法第10条を参照の上で判断したのでは?と私は考えてしまいます。。。

今回の記事を教訓に、今後は不利益変更を伴う労働条件変更には、充分な説明と説明後の労働契約合意書面だけでなく、十分説明した旨の説明会議事録・説明文書・説明会実施記録などの書面証拠を揃えて置く必要があると思われます。



写真は今日の夕食で、ぶりの照り焼き、炒り豆腐、ブロッコリー、さつまいも甘辛煮です。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士会社側の立場でぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

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ただし会社側の相談のみであり、労働者からの相談は対応していませんので、ご了承願います。
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Posted by naitya2000 at 22:09│Comments(0)
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