2015年07月20日

7月20日 岩手県矢巾町・矢巾北中学校いじめ事件から労務管理を考える

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(会社側の立場でぶっちゃけた相談ができる社労士)こと 採用と労務管理の町医者 吉野正人です。

岩手県矢巾町・矢巾北中学校いじめ事件から労務管理を考える


7月20日月曜日。世の中は3連休でしたが、私は3日間とも出かけず事務処理をしていました。。。今日は、岩手県で起こった中学校いじめ事件について書きたいと思います。yahooニュースに、気になる文章がありました。

(大学教授の文章なので、長めです(^_^;)。下線部分と太字だけ読むだけでも、充分だと思います。)


※以下、yahooニュースより引用

「いじめゼロ」「不登校ゼロ」の落とし穴――岩手県矢巾町立中学校の自死事案を手がかりに考える
内田良 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授
2015年7月18日 5時15分

「いじめゼロ」「不登校ゼロ」の目標は子どもの苦悩を不可視化させる

■岩手県矢巾町で「いじめゼロ」が続いていた
岩手県矢巾町で、中学2年の男子生徒が、いじめをうかがわせる内容をノートに記して自死した。その事案について、矢巾町内のすべての小中学校(小学校4校、中学校2校)で、いじめの件数が昨年度から毎月「ゼロ」であったことが明らかとなった。
現実には、男子生徒は1年生の頃からたびたび、いじめと思われる状況を訴えてきたという。それにもかかわらず、学校から矢巾町に報告されていたのは「ゼロ」件だったのである。

本記事では、この「いじめゼロ」の問題を、もう少し深く掘り下げて考えてみたい。

というのも、「いじめゼロ」というのは、単に現実からかけ離れていたという点で問題であるだけでない。じつは「いじめゼロ」というのは、それがひとたび目標として設定されると、いじめ防止の邪魔をしてしまう。「いじめゼロ」が、いじめを助長してしまうのである。

■「いじめゼロ」という究極の数値目標
矢巾町は、2014年7月に「矢巾町いじめ防止基本方針」を策定している。そこで「いじめの防止の具体的取組」として、「いじめゼロに向けた子どもの主体的な取組を促進する」「『いじめゼロ・キャンペーン』などの啓発活動を行うなど、学校独自の取組を実施する」ことが明記されている。矢巾町は「いじめゼロ」を目標にしていたのであった。

行政が「いじめゼロ」という究極の数値目標を掲げると、何が起きるか。その答えは簡単だ。
教職員は、いじめらしき場面を見つけ出すことに、ためらいを感じてしまう。なぜなら、見つけてしまえば、「いじめゼロ」を理想視する教育委員会に対して、「いじめがありました」と報告することになるからだ。

■いじめは起きるもの―「ゼロリスク」からの脱却
矢巾町の越教育長は「ゼロであればいいという町教委の間違った考えが、学校や教員にも伝わってしまった」(産経ニュース:7/15)と述べている。「いじめゼロ」を目標としたことが、かえっていじめを見えにくくさせてしまったということである。

全小中学校の集計結果として「いじめゼロ」が続いていて、かつ「いじめゼロ」をスローガンに掲げる自治体において、「いじめがありました」と報告することのハードルは高い。こうして、いじめは隠蔽されていく。

「ゼロリスク」がもはや神話として知られているように、そもそも「いじめゼロ」の発想にはこだわらないほうがよいだろう。それよりはむしろ、いじめは起こるものであり、それが深刻化する前にいかにそれを発見し介入していくのか(教職員による介入から、ときに警察による介入まで)を考えたほうが、現実的な対応である。その意味では、「いじめゼロ」よりも「いじめ10件」(を見つけよう)と心しておくほうがよいとさえ言える。

■「不登校ゼロ」がもつ暴力性
最後に、さらに問題視すべき事態を一つあげておきたい。
いくつかの自治体や学校では、「いじめゼロ」にくわえて「不登校ゼロ」が目標に掲げられている(矢巾町の学校が該当するかどうかはわからない)。

「不登校ゼロ」ということはすなわち、いじめ等の理由で学校に行きたくなくなったとしても、それを許さないということである。子どもに逃げ場は用意されていない。

それが、「いじめゼロ」の目標と合わさったとき、被害生徒にかかる負荷は大きくなる。なぜなら、「いじめゼロ」というスローガンは、上述のとおり、いじめを隠蔽する作用をもっているからである。

つまり「いじめゼロ」と「不登校ゼロ」が組み合わさったとき、学校は、いじめに向き合わないうえに、さらに子どもに登校を強要するという態度を取り得ることになる。子どもにしてみれば、いじめに苦しみながら、さらにそこからの逃げ道も断たれるという、地獄絵さながらのすさまじさである。

「いじめゼロ」や「不登校ゼロ」といった、一見すると理想的に思える教育目標は、まさにその理想のすばらしさゆえに、重大な問題を見えなくさせてしまうことがある(崇高な教育目標が、リスクを不可視化させている点は、新刊『教育という病』に詳述した)。

正しいはずの実践が、かえって子どもの苦悩を増大させている。正しさがもつ落とし穴に気づかない限り、子どもが救われることはない。

※引用終わり。


個人的には、大学教授という方がに関しては、難しい事をわかりにくく教える方々と言う主観的な偏見を抱いてたりします。。。しかし、この内田良先生は、核心を突いており、わかりやすかったです。

岩手県矢巾町における中学生いじめ事件は、中学3年生の娘を持つ私から見ても、あまりにもお粗末でひどい事件でした。正直、大津市いじめ事件の教訓が、全く生かされていません。。。あと公立学校の教師なので、いわゆる公務員なので、校長・学年主任・担任含めて「自己保身」に必死と思えてなりません。

なお、今回のいじめ事件に関しては、「いじめゼロ」「不登校ゼロ」を学校の目標と掲げていたようです。一見、良さそうな目標ですが、内田良先生の指摘通り、「とんでもない」結果を呼び起こしたのが、事実だと思います。

この「いじめゼロ」「不登校ゼロ」の目標を掲げた中学校の事例を社労士の私が見ると、建設業における労災・災害ゼロ運動を思い出してしまいます。。。

いわゆる建設業は、労災において「請負事業の一括」という制度があります。請負事業の一括とは、元請けの現場で下請け・孫請け等の従業員が起こした労災であっても、元請けの労災として扱うと言う制度です。

一見、事業効率の面から良さそうに見えますが、元請けの労災番号を使って労災処理をすると、元請けの労災番号に「傷をつけた」ことになり、下請け・孫請けは二度と仕事が貰えなくなる等の問題が起こります。。。したがって、建設業界では「労災かくし」が多いのも事実だったりします。。。

中小企業の労務管理においては、いじめゼロ・不登校ゼロ・労災ゼロのような考えは、向いていないと思います。仕事で「失敗ゼロ」運動をやると、「岩手県矢巾町における中学生いじめ事件」のような悲劇は起こると思います。

組織のもとで働く労働者によっては、自己保身を考えやすい傾向があると私は思います。今回のような「ゼロ運動」をすると、失敗・問題・トラブル等を「無かったこと」のように揉み消したり、捏造したりする動きが多々起こりかねないと思います。

私自身、ゼロ運動ではない下記のような対処が大切だと思います。

・事故・トラブル・失敗等発生自体の責任は、労働者個人を追求するのではなく「会社」「経営者」自体の責任として考える。

・評価すべきは、事故・トラブル・失敗等発生後における労働者の初期対応・対処を評価する。

・労働者が事故・トラブル・失敗等を報告・連絡・相談したことは高く評価し、事故・トラブル・失敗等を報告しなかったこと・ウソをついたことに対しては厳しく懲戒処分等を行う。


以上のような対処が必要だと思います。

事故・トラブル・失敗等は、私も含め多々あります。大切なのは、「事故・トラブル・失敗等発生時に何をしたか?」「事故・トラブル・失敗等後に、どのように改善したか?」が大切だと思うこの頃です。

したがって、今後の中小企業においては、問題点・失敗「ゼロ運動」より、問題点・失敗「改善運動」が大切だと思うこの頃です。大切なのは、「今後どうすべきか?」だと私は思います。




写真は、今日の夕食で、おから入り炒飯・野菜スープ・ホタテと椎茸のアヒージョ・ポテトサラダ等です。ホタテと椎茸のアヒージョが、バリ旨でした(^^)。

以上、福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(会社側の立場でぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。


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福岡 久留米
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Posted by naitya2000 at 23:31│Comments(0)
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