2010年09月23日

未払い残業手当と変形労働時間制度

 こんにちはnaitya2000こと労務管理の町医者、社会保険労務士の吉野正人です。今日は、変形労働時間制と未払残業手当について書きたいと思います。

※毎日新聞記事より引用

不払い残業代訴訟:変形労働時間制、「五右衛門」元バイト和解
毎日新聞2010年8月25日
 パスタ店「洋麺屋五右衛門」でアルバイトをしていた男性が、運営会社の日本レストランシステム(東京都渋谷区)に「変形労働時間制」を不正に適用されたとして、不払い残業代の支払いを求めた訴訟は24日、東京高裁(一宮なほみ裁判長)で和解が成立した。「制度の要件を順守していない」とした東京地裁判決に基づき、同社が約12万円を支払い済みであることを確認し、会社側が違法な運用だったと認めることなどが条件。変形労働時間制は、季節などによって忙しさに差がある場合などに適用できる。一定期間の週当たりの平均労働時間が法定労働時間以内であれば、特定の日や週は規制を超えても残業代を支払う必要がないが、事前に労働日・時間を明示する必要がある。

※以上、記事終わり。


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 この記事については、当ブログ4月12日の記事でも紹介しています。今日の内容は、その続きとなります。

 変形労働時間制度と言うのは、1日8時間・週40時間という労働時間の原則に対し、忙しい時期(繁忙期)と暇な時期(閑散期)がある場合、1ヶ月や1年など一定の期間を平均して1週40時間になるように労働時間を設定すれば、仮に週40時間を超える週があっても、残業にならないと言う制度です。

 この記事で会社が採用している「1ヶ月単位の変形労働時間制度」は、1ヶ月以内の一定期間を平均して週40時間以内に労働させることが出来る制度です。そうなると、1ヶ月の労働時間トータルが、

1日8時間、1週40時間の会社の場合
・30日の月は、171時間
・31日の月は、177時間
・28日の月は、160時間

 まで働かすことが出来ます。この変形労働時間制度は、」シフト制や時給のアルバイト・パートの労働者をたくさん雇用している会社にはぴったりの制度と思います。

 しかし、1ヶ月単位の変形労働時間制を導入するには要件があります。その要件は、就業規則又は労使協定に定めて労働基準監督署に届出する必要があります。

 この記事の会社は、就業規則で1年単位の変形労働時間制度を導入したものの、運用面で事前に1ヶ月のシフトを作成し労働者に通知すべき所を半月分のシフト表しか作成していませんでした。結局、判決では変形労働時間制にあたらないと認め、時効分を除く残業代などの支払いを命じています。

 結局、会社側が違法性を認めるのを条件に和解が成立したことを考えると、たとえ就業規則や労使協定などで「表面的」に会社として整備しても、運用の点でやっていなければ、突然労働者側から今回のような「未払残業手当請求」はあり得ます。

 今回の記事は、会社として変形労働時間制度の運用面でもしっかりやらなければならないという「教訓」だと思われます。また、裁判レベルの前に防げれる内容であったのも事実です。私自身、このようなトラブルが、裁判になる前のレベルで防げるべく頑張っていきたいと思います。

以上、naitya2000でした。

  

Posted by naitya2000 at 14:03Comments(0)