2010年04月27日

解雇をするにも注意が必要です。

こんにちはnaitya2000こと労務管理の町医者・社労士の吉野正人です。少し前になりますが、「解雇」について新聞に気になる記事がありました。

※朝日新聞より引用

「解雇告げられ逆上」北九州の社長死体遺棄、容疑者供述
朝日新聞2010年4月5日15時31分
 北九州市小倉南区の白石鉄工で社長の白石正人さん(70)が遺体で見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された同社の日雇い従業員宮尾孝行容疑者(44)が福岡県警の調べに対し「解雇を告げられて逆上した」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。県警は解雇通告が殺害の動機になった可能性があるとみて調べている。
 県警によると、白石さんは3月30日午前11時ごろ、「これから(宮尾容疑者に)解雇を通告する」と従業員に言って事務所を出て間もなく、携帯電話での連絡が取れなくなった。同日夕、事務所から約80メートル離れた資材置き場のコンテナ内で死亡しているのが見つかった。宮尾容疑者は、この資材置き場で働いていた。
 小倉南署の捜査本部によると、宮尾容疑者は仕事を怠けるなど勤務態度が悪く、上司や同僚とのトラブルが絶えなかった。社内では解雇が検討されていたが、宮尾容疑者は知らなかったらしく、白石社長の解雇通告に「逆上してしまった」などと供述しているという。
 白石さんの頭には鈍器のようなもので殴られた跡があった。捜査本部は現場からハンマーなどを押収しており、殺人容疑についても裏付け捜査を進めている。

※以上、引用終わり。


※防予汽船 柳井港(山口県)入港
http://www.boyo.co.jp/index.html

 このケースは正直最悪なケースです・・・。「解雇」とは、使用者による一方的な労働契約を終了させる為の意思表示です。従って、労働者の承諾は不要です。「わかりました」「嫌だ」と言う返事は不要なわけです・・・。

 「解雇」は労働者が拒否しても解雇は成立します。したがって、労働者には「会社」における「死刑」と同様の扱いを意味しています・・・。「解雇」が何の前ぶりもなくされたら、労働者にはショックであり、下手すれば会社(社長)に対して「怒り」・「妬み」・「恨み」を抱かされてしまうのは仕方が無いかもしれません・・・。

 私自身、「解雇」に関する相談は今までたくさん受けています。私の過去の経験から、「解雇」は大きな企業ほど慎重であり、中小企業・零細企業ほど即時に「解雇」をしてしまう傾向があるような気がします・・・。昔は、解雇をされた労働者は、「泣き寝入り」するパターンが多かったんですが、今は労働基準監督署や労働局の相談コーナーやユニオン等労働組合で労働紛争を解決するシステムが出来ているので、簡単には「解雇」せず、よく考えて行う必要があります。

 この記事のケースでは、勤務態度や上司とのトラブルが絶えなかったという事なので、まずは懲戒処分の中で1番軽い処分である「訓戒(注意して始末書を書かす事。)」から始め、懲戒処分を繰り返して改まらない場合は、まずは「退職勧奨」で労働者に退職を持ちかけ、応じない場合は「解雇」という順番を踏むべきだと思います。

 なお、「退職勧奨」とは、使用者が労働者に労働契約の合意解約を申し込む事です。なお、労働者が拒否するのは「自由」です。やはり、突然ではなく段階を踏んで冷静に労働者にも自分の「過ち」をわからせた上で「解雇」とすることが、今後は今回の記事のような「悲劇」を防ぐ事が出来ると思います。

 私自身、社労士なので会社サイドの立場ですが、「労務管理の町医者」として、このような悲劇を起こさせないように頑張りたいと思います。以上、naitya2000でした。  

Posted by naitya2000 at 11:06Comments(0)